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長い間続けること

一昨年・去年とある大学の研究室の仕事をしました。正確にいうと、うちの会社が大学の研究室の研究を手伝っていてその一部の仕事を手伝いました。

オンラインで会議をしたり研究室にお邪魔して研究の内容やこちらの進捗状況など打ち合わせをしながら、数ヶ月ほど研究のシステムの機器作りをしました。

我々は今回の研究に使用する機器(ハードウェア)を設計し製作すること。その機器と先生方のシステムと繋げて研究に使用できるようにする。また、機器を単独で使えるように装置を作ることでした。

ここ数年で一番面白く楽しい仕事でした。
大学の先生たちから研究の意義やその未来性など伺って、今回どのような機器を作ってほしいか構想や仕様を聞きました。研究内容について長い間携わっていることに大きな意味と自信を持っておられてちょっとうらやましく思いました。
また、パワーポイントで作られた説明や構成図など見ていて大学の先生たちはすごいなとつくづく感じました。

すごいと思ったことを書き連ねるとこんな感じです。
・自分たちの研究の意義や将来の構想、その立ち位置などがしっかりしている。
・日頃からパソコンのソフトやRaspberry Pi・Jetsonなどを使いこなしておられ、技術的な話しが出来るのでコミュニケーションがとてもスムーズ。
・我々にお願いしたことも、多分こういう機器を使えるのではないかと先行して調査していたこと。
・逆に自分たちで出来ないことを分かっているので責任分界点がはっきりしていること。・あいまいなところは、問い合わせればすぐさま回答してくれる。
・我々の持っている技術はそんなにたいしたことがないのにも関わらずいろいろすりわせてくれたこと。

一言で言えば「とっても仕事がやりやすい」
納期が短かったり、装置の小型化や仕様書作りに苦労しましたがそれに見合う内容の仕事でした。

大学の先生たちは、自分たちの研究に長年携わっているので話しをしていてもぶれません。
また、研究を進めるためには一歩ずつ進めているので、機器を作るのも一段階ずつで大きな無理がありませんでした。

長年仕事をしていても、これだけ仕事がしやすかった、自分たちの力が発揮できたのは久々で、今回の仕事に大きな充実と技術者としての幸せを感じました。


なんでこんなことを大きく感じるのか考えると、いままで携わった仕事がこの正反対でした。

・予算があるからこんなの作ってくれ。どんなの作るかそっちで考えてほしい。
・予算が大きいといろいろな部署が絡んでまとまりが見られない。横から要望なんだか願望なんだかが割り込んできてみんなが混乱する
・2~3年で関係者が異動するので話しがころころ変わる。全体を知っている人間がいないので質問などしてもたらい回し、忘れられたりする……
まあ、「お役所仕事」なんですけどね(笑)

例えば、仕事を終わらせて収めてみたら、数回使われてお終いということが何度もありました。使ったから「誰かの実績」が残るのでそれが問題視されることはありませんし、誰も気にしません。


そんなことを何回も経験したので、大学の先生たちの仕事がとてもすばらしく感じてしまったのでしょう。

数年で仕事の内容をころころ変えて何が出来るんでしょうか?
人口減少で人手もなく、大学の先生たちのようなプロが減っている中でこのままやっていけるのでしょうか?

「長い間続けること」を忘れて、なにも身につけず何も責任を負わず、自負もないまま仕事をしていて何が残るんでしょうか?

なにも残していかなかったからこんな時代になってしまったのかと思います。
世の中がきな臭くなって「新しい戦前」とか言われています。
もしかしたら、世の中が少しずつおかしくなっていくこの状態が「戦前」にも支配していたんでしょうね。21世紀になってもこんな時代を繰り返すしかないのかと悲観してしまいます。

ただ、昔と全く同じ状況や世の中ではありません。まだ出来ることはいくらでもいくつでもあると思います。希望みたいなものを大学の先生たちの仕事で見たような気がします。
自分も長い間続けていくことを選んでいきたいと思います。


1年に1回、いつものやつでした。

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