« 航空宇宙展示2013五月祭 | トップページ | 「はやぶさ2」ミリオンキャンペーン期間延長 »

科学講座「探査機〈はやぶさ〉のカプセルを護る奇跡の技術」に行ってきました

2013061501

先日家族からこんな講演会あるよと教えてもらって、ものは試しに申し込んでもらいました。
拓殖大学第一高等学校「移転10周年記念行事」
移転10周年記念「はやぶさ講演会」>
「はやぶさ講演会」の報告

IHIエアロスペースの方の講演を聞くのは初めてなのでどんな話しが聞けるか出かけてみました。

多摩モノレール「玉川上水」駅で誘ってくれた家族と待ち合わせ。駅から歩いて数分で学校に到着。「玉川上水」で降りるのは初めてできょろきょろしていましたがいたって普通の住宅街。

移転から10年ということで校舎はきれいなものです。なんでも学校の母体である拓殖大学は、総理大臣桂太郎が創立こともあって玄関の前に桂太郎の銅像がありました。

私立の高校に入るのはずいぶん久しぶりなことで公立高校卒業の自分としてはずいぶん違うもんだと変に感心していました。

講演会開始は15時半。なんでこんな時間帯になったかというと午前中授業があり、そのためこの時間になったそうです。

30分ほど前に会場である多目的ホールに到着。来場者はかなりまばらで「まあ地域住民向けの講演会はこんなものだよな」とみていました。
開始5分前に生徒たちがわらわらと集まってきて9割ほどであっという間に埋まりました。


定刻をちょっと過ぎて講演会は始まりました。
まず、司会から紹介があって校長挨拶。

花小金井から平成16年4月にこの玉川上水に移転して10年。近隣への恩返しという意味で移転10周年記念講座を開催したそうです。
しかし、この校長なぜか「火星探査機」という言葉を使っていました。あきらかに「小惑星探査機」と間違えたよな。いろんな意味でちょっと先行きが心配になりました(笑)


講演者は、株式会社IHIエアロスペース宇宙利用技術室主幹、森田真弥さん。はやぶさの再突入カプセルなどをを担当され、カプセル地球帰還時には、オーストラリアのウーメラ砂漠へカプセルを回収に行かれています。
(はやぶさ帰還後に森田さんを紹介した記事がこちらにあります。<誰も知らない「本当のはやぶさの奇跡」>)


講演は大きく分けて3つの項目について話されていました。

まずは、「なぜこのような計画を考えた」から始まって小惑星へ行く意義、「はやぶさ」の目的の説明から太陽系46億年の歴史をたどって人類誕生までの講義よろしく話しをされました。

続いては「はやぶさ」ミッションについて。
打ち上げから帰還、カプセル回収まで一気に説明されていました。

最後に、講演を聴いている高校生たちにはやぶさで得た経験や仕事から学んだことについて話されました。

各項目だいたい30分ずつで90分の講演は予定通りの時刻で終了しました。
講演を聴いていくつか気になった点面白かった話しを挙げておきます。


講演会の題名にある「奇跡」という言葉を何度か使われていました。例えば「奇跡の毛布」→MLI(機体を覆っている金色の断熱材)。文字通りの奇跡という意味よりは、素晴らしい技術や高度なシステムを指しているみたいです。


IHIエアロスペースでは、小惑星ローバ「ミネルバ」と回収カプセルの開発・製造を担当しています。「うちの会社に言われた要求」から簡単に説明がありました。もうちょっと自慢話や苦労話が聞きたかったですね。


小惑星「イトカワ」へのタッチダウン以降は、面白い例えで分かりやすく説明されていました。「僕が不安な顔をしたので胴体着陸(笑)」「骨が折れたような」「2ヶ月間電話をするストーカー」などなど。


イオンエンジンのクロス運転の説明で日本のエンジニアの良いところをこんな風に言っていました。
「よけいなことをする」


カプセルが地球へ帰還してから自ら回収に携わった体験談もありました。
「走って行って抱きしめたい。でも腰が引けている」状態だったそうです(笑)

首からはガイガーカウンターをぶら下げて、宇宙からの有機物から身を守るために白いスーツを着こみ、万が一の火工品爆発に備えて防護服に身を固めて回収に臨んだそうです。

言われてみれば、白いスーツを着ているのは気がついていましたがそういう意味があるとは知りませんでした。世界初の小惑星サンプルリターンですからそこまで準備していたんだと改めて感心しました。


森田さんがこの仕事に携わろうと思った原体験(「私の出発点」と言っていました)はアポロ11号の人類初月面着陸。こういうものをやりたいと「関心のフック」引っかかったそうです。それがだんだん重くなって今に至っている。

このフックは誰にでもあって、ということでセブンイレブンやローソンの看板に描かれている事柄を教えてくれました。何千回と見ている看板でも言われてみると次から気になる。それがフックに引っかかることだそうです。

確かに、セブンイレブンの看板の文字が違っているのはどこだとか、ローソンの看板の中央にあるマークは何かと言われても覚えていません。でも、改めて言われると気になるものです。好奇心とはそういうところからでも生まれてくるんでしょうね。


「生命は13回の絶滅の危機を乗り越えてきてバトンをつないできた」という話しも何回か出てきました。そして、もし14回目はあったとして13回目と違うのは技術を持っていることだと話されていました。

ここら辺の話しは、どちらかというと技術論と言うよりも精神論的な内容で、映画「ミッション・トゥ・マーズ」を例えとして出てきたりしていました。
ご自身の経験則からこれから社会に出る高校生への心構えや気持ちの持ちようなど伝えようとしていたんだと聞いていました。


講演が時間ぎりぎりだったので質疑応答は一つだけでした。
「知的生命体を見つける宇宙船は出来るのか?」
「出来ます。それをやるのはキミ」

講演終了後、“首をかけて持ってきた、触った人になぜか幸運が訪れる”ある物を出されました。ちなみにこれが何かは一切説明がありませんでした(笑) 見放題さわり放題で机に置かれていたのでこの通り。

2013061502


2013061503
外側を撮影したところ。
周りからは、兜とかダースベーダーとか言われていました。
形状だけ見ていると、実物のカプセルとすこし形状が違うように見えます。試作品かなにかでしょうか?


2013061504
内側を見たところ。
前面ヒートシールド(たぶん)の内側をまじまじと見られたのは初めて。


2013061505
高校生たちに混じって持ってみました。見た目より重かったです。

講演後は駅前で家族とお茶などしながら講演で分からなかった話の説明をしたり、ちょっと相談に乗ってもらったり、「はやぶさ2」の太陽電池パドルの重要性など話したりしてお開きとなりました。

カプセルの技術たっぷりではなかったですがなかなか面白くてメッセージのある講演でした。
さそってくれた家族に感謝感謝です。

|

« 航空宇宙展示2013五月祭 | トップページ | 「はやぶさ2」ミリオンキャンペーン期間延長 »

「宇宙開発」カテゴリの記事

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/49026/57696514

この記事へのトラックバック一覧です: 科学講座「探査機〈はやぶさ〉のカプセルを護る奇跡の技術」に行ってきました:

« 航空宇宙展示2013五月祭 | トップページ | 「はやぶさ2」ミリオンキャンペーン期間延長 »