« 2011年10月 | トップページ | 2012年1月 »

スペースシャトル時代

2011年の宇宙開発関係最大のニュースといえば「スペースシャトルの退役」でしょう。

最後の飛行、スペースシャトルアトランティス号が7月21日に13日間の飛行を終えて地球へ帰還。135回目の打ち上げと133回目の帰還を持ってスペースシャトルは引退となりました。
1981年から2011年の30年間運用された史上初の再利用可能な宇宙船でした。

30年間のスペースシャトルミッションをすべて追っかけていたわけではないですが、それでも一つの時代を一緒に過ごすことが出来たことに感謝です。

今まで見てきた宇宙船の中ではもっとも宇宙船らしく、宇宙時代の幕開けを感じさせたものでした。いつかは宇宙飛行士は無理でも観光客や搭乗員として乗れることが出来ると思っていました。

蓋を開けてみれば、計画当初よりも予算がかかり、そのシステムの複雑さ故打ち上げ回数を増やすことが出来ず、色々計画されていたミッションはあまり実行されませんでした。最後には国際宇宙ステーションの建設というミッションが残るばかりでした。
それでも多くの人間を宇宙へ運び、宇宙実験や人工衛星放出・回収・修理とそれまでの時代にはなかった宇宙時代を見せてくれました。


個人的に印象に残ったミッションを選んでみました。

STS-1(1981年4月12日打ち上げ) スペースシャトル初飛行。
NHKで特集番組があり、その放送最後に打ち上がるはずがコンピュータの同期が取れずに2日延期。奇しくも人類初の宇宙飛行とペンシルロケット水平発射実験の日、4月12日の打ち上げとなりました。
小学生で家族に泣きついてチャンネル権を譲ってもらい打ち上げの瞬間をかじりついて見てました。記憶にはっきりに残っているリアルタイムで見た宇宙船の打ち上げに興奮したものです。今まで書籍の中や歴史の中の出来事でしたから。

STS-61(1993年12月2日打ち上げ) ハッブル宇宙望遠鏡の初のサービスミッション。
これもシャトルならではのミッション。ハッブル宇宙望遠鏡自体もシャトルで打ち上げられましたが、軌道投入後に鏡に歪みがあることが分かり当初の性能が出ないことが判明。この修理のために急遽組まれたミッションです。見事ハッブル宇宙望遠鏡の修理を行い大役を果たしました。

STS-71(1995年6月27日打ち上げ) ロシアの宇宙ステーション「ミール」とのドッキング。
建設が始まる国際宇宙ステーション計画に先駆けてロシアとの共同ミッション。国際宇宙ステーションの計画が具体化していきロシアの参加が決まったらあれよあれよという間にこんなミッションが組まれました。STS-63でミールとのランデブーを成功させこのミッションでドッキングしました。冷戦が終わったとはいえ、アメリカの宇宙船とロシアの宇宙ステーションがドッキングするんですからびっくりしたものです。

STS-72(1996年1月11日打ち上げ) 日本の宇宙実験・観測フリーフライヤ(SFU)の回収ミッション。
これもスペースシャトル時代らしいミッションでした。日本のH-IIロケットでSFUを打ち上げ。SFUは軌道上で数々の実験を行い、STS-72で回収。地上に帰還しました。
日本の若田宇宙飛行士の初飛行でもあってどきどきで見ていました。

STS-114(2005年7月26日打ち上げ) コロンビア号の事故後、復帰第1回目ミッション。
チャレンジャー事故の時は初めての事故だったのでシャトル運行再開はそう遠くないものだと思っていましたし、実際3年後にはディスカバリー号の打ち上げを行っています。コロンビア号事故の時には場合によってはシャトル計画自体が中止になってもおかしくないと思っていました。2年以上の運行停止となりましたが再び復帰第1回目の打ち上げをディスカバリー号が担いシャトル運行が再開しました。
また、この復帰第1回目の打ち上げ搭乗員に日本人宇宙飛行士の野口宇宙飛行士が選ばれています。今までの真面目一辺倒の飛行士たちと比べて親しみやすい野口宇宙飛行士の活躍を見ていると日本もこういう時代になったんだなとうれしくなりました。

書いていたら切りがないのでこの辺りで。
書籍やDVDでもスペースシャトルを楽しむことが出来ます。よかったらお手にとってみてください。


続きを読む "スペースシャトル時代"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「はやぶさ2」予算の行方

「はやぶさ2」予算削減の瀬戸際><「はやぶさ2」予算削減の瀬戸際(その2)>の続きです。

来年度の「はやぶさ2」の予算について現在ここまで分かっています。
前回の記事から時系列でピックアップしてみました。

12月20日
はやぶさプロジェクトサイト日本地球化学会日本鉱物科学会から「はやぶさ2」に関する緊急メッセージが掲載されたことが紹介されました。

12月22日
ロフトチャンネルで「はやぶさ2中止の危機、予算​内示前最後の解説」が配信されました。

12月24日
「はやぶさ2」の予算について新聞・ネット等で報道されました。
毎日新聞<12年度予算案:「はやぶさ2」に30億円
産経新聞<はやぶさ後継機開発、要求の半分以下に
朝日新聞<14年打ち上げ、危機的状況に=開発費、概算要求の半分以下―探査機「はやぶさ2」

12月26日
何用あって月世界へ>の記事<終バス逃した…>内に予算の決定過程が書かれています。(関係者の方が書かれた内容なのでそれなりの情報だと思えます)

はやぶさプロジェクトサイトに<はやぶさ後継機に関する予算の状況について 2011年12月26日Up!>として川口先生のメッセージが掲載されています。


12年度予算案で「はやぶさ2」予算要求額73億円に対して今年度(平成23年度)と同額の30億円の計上となりました。
普通に考えると予算不足で予定の2014~15年の打ち上げは無理とみえます。しかし、文科省では打ち上げ目標の変更はしない方針と伝えられています。

現段階でいまいちすっきりしない結果となったようです。
首の皮一枚だけつながったと喜ぶべきか、今度はどこに無理が生じるのか、文科省なりJAXAが補填するつもりなのか、来年度の予算で巻き返しを考えているのか……分かりません。もう少し情報が欲しいですね。どこ調べりゃいいんだろう?


「はやぶさ2」に関しては、そもそも宇宙開発なんか止めちまえなどの意見を除けば、次のようなことが取り上げられています。

「今」でなくてはいけないのか?
「はやぶさ2」でなくてはいけないのか?
目標が「C型小惑星」でなくてはいけないのか?

いずれにせよ、日本が初代「はやぶさ」に続く小惑星探査は継続すべき、という方向は見えていると思えます。しかし、具体的プランをよく考えると上記の点などでいろいろな意見ありました。
難しいですよね。そもそも小惑星探査は、「予算のタイミング」と「星回りのタイミング」が両方合わないといけない。今回はこのギリギリの線だったと思います。

来年再来年どんな状況になっているか分かりません。でも、予算取りはまだ続くわけです。
当事務所は、今まで通り「はやぶさ2」を応援していきます。


この予算の行方を見つつない知恵を巡らしている時に「WEB+DB PRESS総集編[Vol.1~60]」でこんな文章を読みました。(<「石のスープ」の石になる>の「最初のフォロワー」の重要性)

「……公園で上半身裸になって孤独に踊っている男がいます。周囲の視線は冷ややかです。そこにもう1人の男が最初のフォロワーとして隣で踊り出すと、一緒になって踊る人たちがどんどん増えて、公園で踊ることが「ムーブメント」へと発展していきます。ここで語られているのは「最初のフォロワー」の重要性です。……」(72ページより)

初代「はやぶさ」が帰還して数多くの成果を残しました。この時から宇宙開発に関心を示してくれる人が出てきたと思います。こういう方々がどんどん増えてくると上記のことが起きるかもしれません。

「はやぶさ2」は、時間がなさ過ぎていろいろ吟味・議論することが出来なかったかもしれません。でも、今まで「はやぶさ2」を応援した人たちが「最初のフォロワー」を自覚して、もう一回「はやぶさ2」をはじめ宇宙開発を応援してみると次から少し良い方向に行くのでは、と思いました。

では、どうフォローするかは各人の腕の見せ所ということで。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2011年12月の皆既月食

2011年12月10日は、日本全域で皆既月食が見られました。
詳細はこちらをご覧ください。<【特集】2011年12月10日 皆既月食

天気もほぼ快晴状態で写真撮影を試みてみました。
写真はいずれもトリミング後縮小したものです。


2011123101
久々に望遠レンズを引っ張り出したので手間取って撮影を開始した時に月はかけ始めていました。
22:00頃撮影
Canon EOS 7D + SIGMA 150-500mm F5-6.3 OS(403.0)
F16 ISO100 露出1/30


皆既食が始まるまで時間があったので動画撮影してみました。(約3分間)

動画に家族やご近所の声が入っているのはご愛敬ということで。
それにしても月は意外に早く動くものですね。


2011123102
22:39頃撮影
Canon EOS 7D + SIGMA 150-500mm F5-6.3 OS(500)
F16 ISO100 露出1/30

2011123103
22:55頃撮影
Canon EOS 7D + SIGMA 150-500mm F5-6.3 OS(500)
F6.3 ISO400 露出1/2

2011123104
皆既月食はかなり空の高いところにあり、かなり暗くなったので撮影はほとんど適当。
撮った写真の大半はピンボケ。諦めて肉眼で皆既月食を楽しみました。

23:06頃撮影
Canon EOS 7D + SIGMA 150-500mm F5-6.3 OS(500)
F6.3 ISO3200 露出1/2

2011123105
赤い月を見ることが出来ました。
それから辺りが想像以上に暗くなったので星がかなり見えました。今年初めてオリオン座を見ました。
周りの星を合わせて撮影してみました。

23:07頃撮影
Canon EOS 7D + SIGMA 150-500mm F5-6.3 OS(500)
F5 ISO6400 露出1/2


今まで何度か皆既月食を見たことがあります。今回ほど“よく見えた”皆既月食は初めてでした。
天候が良く皆既時間が長かったのが要因でしょう。でも、やっぱりそれなりに知識がついたのであれこれ見どころが分かったのが幸いしたようです。
写真を見るとカメラの望遠レンズよりも天体望遠鏡でしょうね。観測中にちょっと欲しくなりましたよ。

翌日予定があってので皆既が終わるまで見ることは出来ませんでした。それでも満足の皆既月食観測でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「はやぶさ2」予算削減の瀬戸際(その2)

前回記事を書いてから「はやぶさ2」関係でいろいろあったので自分なりにまとめてみました。

ロフトチャンネル<緊急トーク番組「はやぶさ2は今」松浦晋也+小林伸光>(動画)

「はやぶさ」元プロジェクトマネージャー川口先生のメッセージ<はやぶさ後継機に関する予算の情況について
同じく川口先生出演のJAXA相模原チャンネル<宇宙研速報 [2011.12.16] 川口教授からのメッセージ>(動画)

日経ビジネスオンライン<あの「はやぶさ」後継機、存亡の危機><権限争いの狭間に落ちた、はやぶさ2

有人宇宙港をめぐる冒険<はやぶさ2予算の件><はやぶさ2予算の件 その2><はやぶさ2予算の件 その3


2番目の川口先生のメッセージは驚きました。関係者と言ってもよい川口先生自らのメッセージですから。当事者が動けない分「シニアフェロー」という立場で動かれたのか、それともよっぽど切羽詰まっているのか分かりません。それでもこういったメッセージを発せられる環境を作ったのも初代「はやぶさ」であり川口先生たちなんでしょう。

ネット上でも賛否両論ありますけど、いずれも砂を咬むような話しで歯痒い。「はやぶさ2」のメリットデメリットが双方大きくて(と言ってよいのか正直分かりませんけど)単純に「やる」「やらない」というだけの次元を通り越してしまったような気がします。

とりあえずまだ議論などの時間はあるようです。

JAMSTECの高井先生からこんな情報出てくるとは思いませんでしたよ。大衆蜂起も政府転覆もする必要はありませんけど、まだ少しだけいろいろ考えることは出来そうです。
(っていうか高井先生なにやってんですか!? ちなみに私も「しんかい11000」はさっさと作るべきだと思います)


以下、個人的に釈然としない点を書いてみた。要するにチラシの裏です。

……と、書いてみたけどやっぱり意味がないので削除しました。もう少し状況がわかったら改めて書いてみます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「はやぶさ2」予算削減の瀬戸際

今週、松浦さんのツイートや毎日新聞の記事から知った小惑星探査機「はやぶさ2」の予算削減の話し。
またかよ!?と思っていたら今回はかなりまずいことになっているようです。


毎日jp(毎日新聞):<はやぶさ2:ピンチ 予算削減、打ち上げに暗雲

松浦晋也のL/D:<はやぶさ2、予算の危機について


2014~2015年に打ち上げ予定の小惑星探査機「はやぶさ2」
今回のタイミングを逃すと単に打ち上げ機会を逃すだけではなく、2010年6月に帰還した「はやぶさ」の技術継承やコミュニティーの崩壊まで引き起こすことが十分考えられるところまできてしまっているようです。

この「はやぶさ2」の予算は、特別枠「日本再生重点化措置」から出ることになっています。
初代「はやぶさ」が持ち帰ったのは小惑星のサンプルだけではなく、小惑星探査を初めとする太陽系大航海時代の礎をも持って帰って来てくれました。その卵をふ化して成長させる第一歩の「はやぶさ2」を実施することは、日本再生を科学的側面から支えるぴったりだと思います。

そこで例のごとくメール作戦が行われています。
予算が一般的な省庁の予算ではないので、つまるところ政治家に声を届けるのが有効だそうです。
私も昨日野田首相にメールしてみました。

東日本大震災の復興にお金がかかることは十分分かっているので躊躇しました。
でも、ここで「はやぶさ2」を諦めてしまうとなにか大きなものを見失うような気がしてやっぱりメールを出しました。
考えたあげくたいしたこと書けずに、「はやぶさ2」が日本再生の予算に大変見合った計画であること、今回必要な予算がつかないと「はやぶさ2」の計画自体が意味しないこと、の2点に絞りまとめてみました。

どこまで読まれるかどこまで届くか分かりませんけど、私たちにも出来る手立てがあるならやるだけの価値はあります。


もし、メールをしてみようという方がおられたら以下のページがとても参考になります。

Togetter:<はやぶさ2の予算に関する陳情のまとめ #jaxa #hayabusa

松浦晋也のL/D:<はやぶさ2で野田事務所に嘆願書を送った


初代「はやぶさ」よ再びではなく、さらに見たことないものを、さらに知見の高まりを大いに期待できる「はやぶさ2」を一緒に見ませんか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年10月 | トップページ | 2012年1月 »