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第8回 顔の見えるサイエンス・テール

10月1日に東京は三鷹にある「三鷹ネットワーク大学」で開催された「第8回 顔の見えるサイエンス・テール「位置天文学と超小型衛星ナノ・ジャスミン ~星の距離と動きを正確に測って天の川銀河の謎を解く!~」に行ってきました。

最近は便利なものでTwitterのTLを眺めているといろいろな講演会・イベント情報が入手出来ます。そんな中に国立天文台・東京大学中須賀研究所の「Nano-JASMINE」のサイエンスカフェがあるではないですか。
打ち上げロケットの関係で打ち上げ延期になっている「Nano-JASMINE」について何か聞けるかなと申し込んでみました。すぐに参加OKの連絡がきたので講師の郷田先生著書『天の川銀河の地図をえがく』で予習して行ってきました。

JR三鷹駅からすぐ近くとあったので行ってみると、駅から続いているデッキを左手に歩いて行くと会場の三鷹ネットワーク大学に直結していました。「大学」とありますが生涯学習センターみたいなところでした。

会場はこじんまりとした作りです。講演会よりも座談会といった雰囲気にぴったりです。
受付で参加料を払うとジャスミン茶とクッキーをいただきました。女性が主催だとこういうところが細やかです。開始5分ほど前に、2012年の金環日食について解説がありました。


18時より主催者による今回の企画の説明から始まりました。
2008年の春に今回の講師郷田先生の話しを聞いたのが天文学への興味を持ち現在にいたったそうです。今日の講演は、「Nano-JASMINE打ち上げ応援企画」でもあるそうです。

サイエンス・テールなるものに初めて参加してみましたが、ホームページの内容説明を読む限りでは普通の講演よりハードルが高いかなと思っていました。実際は普通の講演などと変わらずに、先生や主催者との距離が近い分ずいぶん親近感がわきやすいものでした。


「天の川銀河の謎を解く」という内容で以下の4つの話しを聞きました。
1.位置天文学
2.位置天文観測の歴史と現状
3.位置天文衛星の将来計画
4.ジャスミン計画シリーズ

最初の「位置天文学」については、そもそも「位置天文学とはなに?」から始まって天文学において距離を測る重要性や今までどうやって遠くの天体までの距離を特定してきたか。また、その手段や方法など太陽までの距離かは遠方銀河やさらに遠くの距離までの測定方法を解説されていきました。

天文方面はとんと疎い私で事前に先生の本を読んで勉強してきたのですが、実際に話しを聞くと理解が深まるものです。星までの距離なんてかなり正確に分かっていると思っていました。
しかし、結構「経験則」頼りだったり、ヒッパルコス衛星(欧州宇宙機関によって打ち上げられた高精度視差観測衛星)による観測結果が従来のセファイド変光星の明るさに違いがあったりとまだまだ調べなくてはいけないことだらけですね。
「距離はしご」を中心に位置天文学についての概要を話されたところで前半終了となりました。


後半は、位置天文学の歴史と現状から始まってこちらはさくっと説明されて、今日の主役であるNano-JASMINE衛星の話になりました。
スライドを見ながら人工衛星としての機能や「Nano-JASMINE」が打ち上がることによって得られる知見など解説がありました。
「Nano-JASMINE」は、打ち上げが何度と延期になっています。最近の延期理由は、射場をまだ作っている最中だからだそうです。今のところ来年(2012年)打ち上げとなっています。

後半途中からは「Nano-JASMINE」に関わられている学生さん2名も参加され、参加者からの質問にも答えておられました。「Nano-JASMINE」には、衛星の試験と放射線の影響の補正などに携われていると自己紹介がありました。

質疑応答では、欧州宇宙機関が打ち上げる天文衛星「Gaia」(2013年打ち上げ予定)とのミッションが似通っている点も出てきました。
このGaiaとは協力体制にあって、Gaiaは明るい星に弱い。Nano-JASMINEは明るい星に強い。と、お互いに補完し合う関係にあるそうです。Nano-JASMINEのデータ解析もGaiaチームと行うそうです。

また、みなさんのNano-JASMINEとの関わりについても質問が出ました。基礎をやっていたので応用をやってみたかったや勉強していて基礎的なことが分かっていなかったからといろいろでした。


Nano-JASMINEたっぷりではなかったですが、位置天文学というものが単に天体までの距離を測るということだけではなく、宇宙の階層構造やダークマターなど「見えないものが見えてくること」に関係していると理解出来ました。何度も「地味だけど重要」という言葉が出てきました。まさにその通りのサイエンス・テールでした。


個人的にちょっと面白かったのが「無茶ブリ」と「広報の重要性」でした。
「無茶ブリ」って宇宙関係だけかとおもったら天文関係でも通じるんですね(笑) まあ、似ている分野ですから。
地味だけど重要な事柄をもっと世に知らしめるべきだと質疑応答でありました。「広報」の大切さにどうやって理解してもらうか。いずこも同じですね。


2011102521
こちらがいただいたクッキー「黒点クッキー」 帰宅してからおいしくいただきました。

それから、サイエンス・テールの後、最近よくジャスミン茶を飲むようになりました(笑) 香りがきついと思っていたけどそうでもないですね。


ちなみに、超小型位置天文観測衛星「Nano-JASMINE」については、以下のページが参考になります。

東京大学ISSL 超小型天文観測衛星Nano-JASMINE(ナノ・ジャスミン)プロジェクト
国立天文台 Nano-JASMINEホームページ

2010年4月12日の打ち上げ正式決定時のドキュメントや写真は以下のページにあります。
Nano-JASMINE プレスリリース(10-04-12) (Download)
このページにある<Nano-JASMINE記者会見発表資料(pdf)>は、たぶん、Nano-JASMINEを押さえるには最適な資料だと思います。今回のサイエンス・テールでも同じページが何枚か出てきましたし。

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