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相模原キャンパス特別公開2010

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年に1回のお楽しみの日こと、相模原キャンパス特別公開。
今年のタイトルは<JAXA相模原キャンパス特別公開「宇宙のナゾを見つけに行こう!」
特別展示として6月に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルがはじめて公開されました。

事前に情報を集めるとどうも凄いことになるらしい。開催側も宇宙研と相模原市立博物館の前の道路を完全規制をかける体制で臨んでいます。記憶に有る限りこんなことは今までありませんでした。
どう考えても、土曜日に1日では見て回れない……。よし有給だと上司に許可を取り付けて今年は2日間参加してきました。初日は川口先生の講演とはやぶさのカプセルをメインに、二日目はいつもの特別公開という作戦で望むことにしました。

蓋を開けてみれば、相模原キャンパス来場者数、初日14216名、2日目が19645名で、合計で33861名。カプセル公開の相模原市立博物館来場者数、初日が13000名、2日目が17000名という大盛況ぶり。
相模原キャンパス特別公開2010、終了

いつものように、いつも以上に楽しかった2010年の特別公開を大量の写真と共に紹介。

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宇宙科学セミナー<帰ってきた「はやぶさ」そして産声>

9時過ぎに最寄りJR淵野辺駅についたらバス乗り場がすごい人だかり。いつものように徒歩で相模原キャンパスに向かっても前後の人々が同じ方向に歩いています。整理券の番号が192番。ぎりぎりでした。

セミナーは整理券を持っている人しか会場に入れないようになっていました。しかし、会場外のロビーにモニターが用意されていて間にあわなかった方たちにも配慮がされていました。

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定刻よりちょっと早くはやぶさプロジェクトチームプロジェクトマネージャの川口先生登場。会場からの拍手が凄かったこと。
はやぶさの生い立ちからその意義、ミッションの内容など分かりやすく次々と進んでいきます。
スライドもセミナー自身が「大人向け講座です。深く濃い内容にご期待ください!(対象:中学生以上)」とあるように細かいおいしい内容ばかり。イトカワの理学的な説明はほとんどありませんでしたけど、工学的なはやぶさの話しはいままで公表されていない話しや写真までありセミナーを優先させた甲斐がありました。

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「地球帰還の軌道」
右側の図は見慣れたものです。ところが先生方は左側の図を使うそうです。「60億キロ(はやぶさの全行程)と言われるけど地球も60億キロ動いているんだから」「左側の図ははやぶさから見て地球と太陽の位置関係が分かる」 なるほどでした。

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「オーストラリア空軍の倉庫にハヤブサ」
オーストラリアチョウゲンボウのつがいだそうです。こんなことあるんですね。

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「驚異な精度で着陸」
予想着陸地点からわずか500メートルしか違っていなかった。当時の風向きから計算してちゃんとそちら側に着陸していた。ビーコンもパラシュートもないヒートシールドも500メートル未満の場所で発見。
帰還翌日にオーストラリアに向かう予定で荷造りして相模原キャンパスへ来た川口先生は、その荷物を持って家に帰る羽目になったそうです。

セミナーは予定時間を目一杯つかって終了しました。川口先生が会場を出るまで拍手がやみませんでした。


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「はやぶさ」カプセル特別展示
セミナーの最後に司会の阪本先生から悪いお知らせが。カプセル3時間待ちとの情報。

もちろん並びましたよ。なんと最後尾は相模原キャンパス正門裏手まで伸びていました。ここで聞いたら2時間半待ちでした。でも、止まっている時間が意外に短かったのでそこまで苦痛ではなかったです。
写真は並んでいる最中に設置された看板。

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宇宙科学研究所前交差点から共和小前交差点を撮影
最後尾からここまで40分。振り返れば笑っちゃうくらい人がいます。初日は最大3時間待ち。二日目は最大4時間待ちだったとか。
並んでいる最中に帽子を落としていたらしく後ろのお姉さんが拾ってくれました。どうもありがとう。

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カプセルが展示されている会場は撮影禁止。立ち止まらず列を空けずに進んでくださいとアナウンスがありました。この混みようでは正解です。

7年間宇宙を飛行してきたカプセルは小さかったですね。その中にサンプル容器が入っていたわけです。
近づいてみることが出来ませんでした。先ほどのセミナーで川口先生から見どころを聞いていたので助かりました。
中身は言われている通りきれいです。でも、搭載されている機器は実機のみ持っている雰囲気がありました。
ヒートシールドは、一面真っ黒。以前見たUSERSリカバリービークルよりも焼き焦げていた感があります。それだけ遠くから帰ってきたわけです。

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会場外の看板
「世界初」の文字が誇らしい。中で撮影できないのでここで記念撮影されている方たちを多く見受けました。
2~3歳の子が「まだみる!」って泣き叫んでお母さんを困らしていました。まだ分かんないと思うんだけど「はやぶさ」恐るべし。


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第1会場「はやぶさ」
今年の主役。展示を見るために並ぶなんて思ってもいませんでした。

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「はやぶさくんの冒険日誌」
<2010ただいま!>に版が変わっていました。ひとまず完結です。ちょっと涙腺がゆるみました。
こちらからも読むことが出来ます。

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てるてる坊主
ウーメラが天気がよかったのもこのおかげですね。

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日々の運用に使われていたホワイトボード
こんな物まで公開するなんて。最後の運用記録が書かれています。永久保存すべき代物です。

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はやぶさ2
はやぶさが飛行中から立ち上がっていた計画です。2014年打ち上げ予定で計画が進んでいます。ぜひ「はやぶさ」の意志を受け継ぐべく計画実施になってほしいものです。

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第1会場「イカロス」
ミッション部のプロトモデル。セイル展開機構とか見られて幸せです。

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イカロス搭載部品
モックアップやフライトスペア品など多数展示。

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初日に、イカロスプロジェクトマネージャー森先生自らどうやって加速減速するのか説明されていました。この贅沢さは宇宙研ならです。

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第1会場「天文衛星大集合」
写真は、国際X線天文衛星ASTRO-Hの硬X線撮像検出器伸展部。スプリングで伸ばしてしまうと曲がってしまう可能性があるのでこのような関節型機構にしたそうです。

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惑星の探し方
次世代赤外天文衛星SPICAのコーナーにありました。惑星を探すのに使われる手法を解説されるのに使われていました。

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第2会場「金星探査機あかつき」
写真は、あかつきの太陽電池パネル。
ちなみに二日目に第2・3会場を回りました。第1会場から第2会場に行くのにも行列が……。

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ジオテイルの手作り模型
下敷きを作ってもらえるコーナーでした。

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磁場とリングカレントの体験コーナー
磁気嵐の影響が、とか解説していたのは聞けました。人が多すぎて何を体験しているか分からずじまい。

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中庭「はやぶさ電波方向探査局」
ぱっと見でアマチュア無線のアンテナに見えました。8エレ垂直スタック。こいつではやぶさのカプセルがどこへ着陸するか追い詰めたんだ。

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アンテナのコントローラ
市販品ではなくて特注品のようでした。

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中庭「探査ロボット実演」
年々増えているように見えるのは気のせい?

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第3会場「宇宙農業」
今年はカイコから作った化粧水を武器に人を集めていました。もちろんあのクッキーも。
電気推進ロケットコーナーの列に並んでいた人曰く「バナナのたたき売りみたい」

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「電気推進ロケットコーナー」
ここも30分待ち。イオンエンジンミュー10とミュー20が見ることが出来ました。

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第4会場「小型科学衛星シリーズ」
標準バス機械試験用モデルが展示。小型と言うだけあって遠目に見ても小さいですね。

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セラミックスラスター
金星探査機「あかつき」に搭載されています。

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イカロスのソーラーセイル
でっかいでっかいと言われているイカロスのソーラーセイル。目の前にして本当にでかかった。
これがあと三辺分集まると宇宙を航行しているイカロスの大きさになるわけです。帆船とかヨットとか言われるわけです。

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磁気圏観測衛星「じきけん(EXOS-B)」の模型
これは珍しい。「人工衛星の姿勢と試験設備」コーナーで見ました。

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イカロスのアンテナ
ああ、これがイカロス君が「なんとかの山ってお菓子みたいだから」と表現したやつか。納得。

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電波無響室
中庭で見たはやぶさ電波方向探査アンテナの実演とはやぶさのビーコン音が聞けました。

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小型科学衛星1号機アンテナ測定モデル(1/2.5)
ターンテーブルの上でくるくる回っていました。アンテナの特性が分かれば良いので実物大でなくても良いそうです。

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第5会場「はるかな宇宙と会話する宇宙通信」
うすださんこと臼田宇宙空間観測所直径64mパラボラアンテナ(模型)

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HAYABUSA君の声
はやぶさからの電波を音に変換したものを聞くことが出来ました。

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宇宙構造物
色々なタイプの伸展マストが展示されていました。

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再使用ロケット
写真は再使用ロケット実験機。RTV実機も展示されていました。

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イプシロンロケット
講演会は、二日とも3つずつありました。
プロジェクトマネージャーの森田先生は海外出張中ということでした。毎回立ち見が出る盛況の講演会でした。二日目に3つとも聞くことが出来ました。

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講演「イプシロンロケット開発の意気込み」
H-IIロケットの開発にも携わった井元さんの講演。世界一の小型ロケット、国民がわくわくするロケット、衛星が乗りたくなるロケットなど打ち上げが待ち遠しくなる内容でした。

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講演「M-Vロケット実機模型の制作秘話」
2008年から展示されているM-Vロケットの実機模型。その第2段目は実機で地上燃焼試験をしたものです。
その地燃の写真や実物模型へのあんな話しやこんな話しが聞けました。
イプシロンロケットでは地燃をやらずに開発するという驚きの話しも出てきました。まったくゼロからの開発ではないにしろ予算がないからといって大丈夫なんでしょうか?

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講演「固体ロケットを支える構造技術」
そばに展示してあったM-Vロケットを見ながらロケットに使われる機構や構造の話しが聞けました。
イプシロンロケットの詳細はまだ決まっていないところが多いのも分かりました。

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イプシロンロケットの赤い線
講演中にこの赤い線の意味が紹介されました。そうでなくちゃ!

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M-Vロケット実機模型
記念撮影スポットになっていました。説明の方たちがいて大盛況でした。

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お土産屋さんの列
写真だと分かりにくいですけど正門の方へ長く伸びていました。売り切れ続出でけっこう買い損ねました。
えらい人気がここでも実感。


その他あちらこちらで見かけたものを紹介。

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はやぶさミッションパッチ

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生協で展示したあったはやぶさのプラモデル。実によく出来ていました。

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イカロス君の帽子。

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イカロスの模型の裏側。よくみたら関係者のサインがありました。

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ブラックイカロス君。なにをやって絵になる探査機です。


スタッフのグッズシリーズ。
(こっそり撮影しました。すみません)

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赤外線天文衛星「あかり」

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電波天文衛星「ASTRO-G」

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小惑星探査機「はやぶさ」

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金星探査機「あかつき」

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SCOP計画

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小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」

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再使用ロケット実験機「RVT」
こちらは断って撮影させてもらいました。聞いたところ他の皆さんも撮影されるくらい人気だったとか。
撮影させてもらった方はこのデザインを考えた方でした。今年のアイディア賞ですね。


今年の特別公開はものすごい人で消化不良気味でした。でも、これだけ注目の集まった特別公開は歓迎です。
会場内をうろうろしていると聞こえてくるの「はやぶさ」が“一般常識”化していることでした。
いままでこんなことがあったでしょうか。はやぶさ人気が尋常でないことを実感しました。

この調子でロケット・人工衛星など日本の宇宙開発がぞくぞくと一般常識化するくらい盛り上がっていってほしいです。
今年も楽しい相模原キャンパス特別公開でした。

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