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「はやぶさ」の先へ

小惑星探査機「はやぶさ」の帰還後に出張が入り1週間近くネットが自由に使えませんでした。
帰ってみるとまあすごいこと。ちょっとした“情報爆発”みたいですね。
内容の善し悪しは置いておいて、「はやぶさ」や日本の宇宙開発に関する情報が色々読めるなんて想像していませんでした。

そんな中で「はやぶさ2」の話しがあがっています。何度も出ては消えかかりそうになったプロジェクトですけど今度はどうなるのでしょうか。

「はやぶさ2」を打ち上げることに賛成です。というかさっさとやっていれば……という思いの方が強いです。
それはさておき、「はやぶさ2」をやるべきメリットをいろいろあります。それらの意見以外にも自分なりに考えるとこんなことでしょうか?


・「はやぶさ2」にお手本に必要なミッションが立ち上がった時に「緊急発進」出来る体制を作るチャンスである。
探査機・衛星を作るのに5年ほどかかりますから何かあってすぐに打ち上げることは無理です。でも、急に立ち上がったミッションを行える体制や枠組みを作れれば日本の宇宙開発の強みになるんでないかと。


・既存のミッションを繰り返して行える前例が作れる。
「はやぶさ」と同じことやってどうすんだ?とありますけど、新しいことやらないと予算がつかない状況もどうかと思います。宇宙科学ですから常に最先端や世界で一番狙うのに新しいことに挑戦することは分かります。でも、分かったことの蓄積の意味で同型機を打ち上げることも必要だと思います。
「はやぶさ2」には、「はやぶさ」が探査を行った種類とは別の種類の小惑星に向かいます。ちょっとこの意見は的外れかもしれません。

日本の衛星・探査機は、総じてミッション達成後寿命が尽きた後しばらくしてから後続のミッションが立ち上がります。この空白期はなんとももったいない。こういうことが起きているから新しいことしか出来なくなる足かせになっていると思います。


メリットを書いてばかりでもなんなのでデメリットをひとつ。

・2014年まで時間が少ないこと。そんなこと気にしない政治利用される可能性があるのでは?
帰還直後の彼らの発言を見てると、あの人たちは逞しくて嗅覚だけは鋭いとつくづく思いました(笑) これは怖い。
例えば、今年度だめでも来年度大臣折衝みたいな形で復活したからやれ!とかなって、無理やり作ってミッションが失敗、とかならないかと心配です。
これだと、「はやぶさ2」賛成派・反対派両方にとって不幸なことです。チャンスをものに出来なかったから総じて削減とか喰らいたくないです。


「はやぶさ2」の話しは、ひとつのミッションが持ち上がったことに終わらせるのではなく、小惑星探査シリーズ以外にも「次へ」をもたらす話しだと思います。「はやぶさ2」だけで終わらせるのはもったいない。日本の宇宙科学・宇宙開発を支える柱は何本でもあることに超したことはないですから。

衛星・探査機をばんばん(でもないか……)打ち上げてもそれを利用できる人が少ない、そもそもいないとかあります。でも、利用する人の枠組みを広げる、そうなる環境作りの一歩として「はやぶさ2」は有効ではないかと思います。

「はやぶさ」が残してくれたことを大切にして次へ向かいましょう。

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小惑星探査機「はやぶさ」の帰還

小惑星探査機「はやぶさ」は、最後の大役である回収カプセルを送り出し、6月13日22時51分に大気圏に突入していきました。
小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)の大気圏突入について

大気圏突入時の映像を見ていると、回収カプセルを力尽きるまで見守りながら奇麗な流れ星となって南半球の夜空へ消えていったように見えました。


回収カプセル自体は、無事大気圏を突破し着陸予定地であるオーストラリアのウーメラ実験場にパラシュートで降下しました。
ヘリコプターによるカプセル本体の捜索結果について
ヘリコプターから撮影したカプセル本体の画像について
はやぶさカプセルの回収作業の完了について

カプセル降下時に切り離された熱シールドは着陸直後には発見されませんでしたが、カプセル回収時に発見。翌日の回収を待つのみとなっています。
ヘリコプターによるカプセル熱シールドの捜索結果について
はやぶさカプセル熱シールドの発見について

「はやぶさ」ミッションで大きな柱のひとつである回収カプセルを直接惑星間軌道から地球へ帰還させることに成功しました。これをもって「はやぶさ」の足かけ7年間におよぶ大航海が幕を閉じました。
MUSES-C(3番目のミュー・ロケットで打ち上げる工学実験探査機)の名にふさわしい大活躍でした。

ミッション成功はもとより、翌日の新聞やらネットのニュースやら追いかけきれないくらいの情報で宇宙開発ファンとしてはうれしい限りです。
あまりにも多いので少しばかりですが紹介。
宇宙作家クラブ<ニュース掲示板
ITmedia News<総まとめ:お帰りなさい、はやぶさ!
星の情報.jp<2010年06月14日(月)><2010年06月15日(火)

探査機としてのミッションは終了していますが回収されたカプセルに小惑星「イトカワ」のかけらが採取されているかはまだ分かっていません。
採取の如何に関わらず今後の情報を楽しみに待ちたいです。

続きを読む "小惑星探査機「はやぶさ」の帰還"

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「はやぶさ」地球帰還へ最終段階

9日、小惑星探査機「はやぶさ」がオーストラリアのウーメラ実験場にカプセルを着陸させるために最後の軌道修正(TCM-4)を実施し成功させました。
もう、地球帰還は間違いないです。やりました、「はやぶさ」名実共に小惑星“往復”探査機となりました。

「はやぶさ」のTCM-4、WPAへの精密誘導完了

6日に日本未来科学館で行われた<小惑星探査機"はやぶさ"帰還プレイベント 「地球へお帰り!はやぶさ」>においてプロジェクトマネージャーの川口先生からこの最後の軌道修正についてこんな解説がありました。

・水曜日に実施
・イオンエンジンを2~3時間使用して軌道修正
・前回のTCM-3では、ウーメラ実験場内のおよそ300キロくらいの範囲でカプセルを着陸させる精度だったが、今回のTCM-4ではおよそ1キロ範囲で着陸させる精度にもっていく。
(あくまでも6日時点の話なので実際の数値ではないことに注意してください)

実際に、9日水曜日にTCM-4が実施され、所要時間は2時間半ほどでした。カプセル着陸精度がどれくらいになったかは公表されていませんがおそらく現地の回収班が待ち構えているエリアには入っているんでしょうね。約190万キロ彼方からのピンポイント着陸が実現ですか!

これからは、小惑星「イトカワ」のかけらが入っている(と思われる)カプセルの着陸が焦点になってきます。
ざっと上げてみてもカプセルが地球に着陸するまで数々のハードルがあります。
はやぶさから分離出来るか、大気圏突入時の熱に耐えられるか、パラシュートはちゃんと開くか、位置を特定するためのビーコンはちゃんと電波を発信するか、などなど。

<はやぶさ、地球へ! 帰還カウントダウン>に関係者からのメッセージがあります。連日のように更新されていて「はやぶさ」に関わっている人たちの思いや経験がうかがい知れる貴重なページです。もう読むのが楽しくて楽しくて。
ひとつの探査機でこれだけのボリューム。はやぶさ物語「祈り」のエンドロールに関係者の名前が延々と出てくるわけです。
(そう考えるといままでの宇宙機にはどれくらいの“メッセージ”があったんでしょうか? 少しずつでよいからどこかで発信してほしいですよね)

このメッセージの目を潤ませながら大笑いしたのが「宇宙の電池屋さん」こと曽根さんの「出立
家族から渡されたワッペンの中にあった「カプセル横取り注意」(そういやあ、6日の川口先生も似たようなこと言っていましたね)

カプセル回収にはどれだけの困難があるかもしれないけど、いままでの「はやぶさ」の旅路を考えればたいていの対策や対処は考え抜いている。そうなると最大の難関は、オーストラリアの動物にカプセルを横取りされること!?

そんな冗談めいたことが頭に浮かびましたけど、それくらい(例えが悪くてすみません)様々な事考えて考え抜いて挑戦して来たんだと思いました。それがこの旅路がほぼ予定通りのゴールに向かうことになったんでしょう。
なにが起きても心配はしても悲観はせずに「はやぶさ」の身体の張った活躍とカプセルの無事の地球到着を待ちましょう。


と、この文章をまとめているときに、もしかしてオーストラリアに行っている回収班は逃げ惑うカンガルーを生け捕りにする訓練してないかと。あらゆる策を弄して万難を排する「はやぶさ」プロジェクトチームとなると……。

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「はやぶさ」ウーメラ目指して

小惑星探査機「はやぶさ」が5日に4回目の地球帰還のための軌道補正マヌーバ(TCM-3)を成功させました。
このTCM-3は、「はやぶさ」が地球最接近時の目標が地球外縁部からオーストラリアのウーメラ実験場になったことを意味しています。
これによって地球帰還がほぼ確実なものになってきました。

JAXAのプレスリリース
小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)のTCM-3、地球外縁部からWPAへの誘導目標変更完了について

マイコミジャーナルには、TCM-3の運用や地球帰還時の詳細があります。
「はやぶさ」、6月13日の地球への帰還が確実に - 4回目の軌道修正に成功


あくまでも「誘導目標」という言葉が使われているようにまだまだいくつものハードルが待っています。
でも、マイコミジャーナルの記事を読む限りではよほどのことがない限り「はやぶさ」は地球へ帰ってきそうです。

新聞やらテレビやらでよく「はやぶさ」の文字を見るようになりました。「おかえりなさい」イベントなどもずいぶん増えてきました。3年の地球帰還延期が決まった時はやたらに先の話に感じたのに今となってはもう帰ってきてしまう、ですね。

うらにわ宇宙空間観測所さんの「はやぶさ」帰還カウントダウンを毎回お借りして、今回もVer.1.5をお借りしました。「年月<->日表示変更ボタン削除」という文字でも帰還が間近だと分かります。何百日と表示されていたのがなつかしい……。

それにしてもこの盛り上がりは何なんでしょう。自分は経験がないのですが宇宙開発ファンにとってのアポロ計画の月着陸前後ってこんな感じだったのでしょうか?
この「はやぶさ」の地球帰還は、他国からの経験でなくて、という点でも世界に誇れると思います。

地球帰還予定日の13日まであとわずか。
とにかく「はやぶさ」の地球帰還と、小惑星「イトカワ」から採取したサンプルが入っている(であろう)カプセルの無事の着陸を願うばかりです。


それではいつものやつを……。(これしか思いつかなくてすみません)
待っているぞ「はやぶさ」
がんばれ「はやぶさ」!
がんばれ「はやぶさ」に関わるすべての人たち!!

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