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『ほうかごのロケッティア』

マツドサイエンティスト・研究日誌で知りました。さて、読んでみようかと思ったらなかなか売っていない。大型書店でやっと見つけました。
読んだ途端にロケットネタ満載で大笑い。でも、それだけで終わらない小説でした。

『ほうかごのロケッティア』
(大樹 連司著 ISBN978-4-09-451178-9 ガガガ文庫)

少年少女たち(ときどき大人たちも)が訳あってロケットを打ち上げる。ロケットの規模は大小あれど、このプロットはフィクション・ノンフィクション関係なく色々あります。
この作品の良いところは、ロケットを含めた宇宙開発ファンはくすくすと、そうでない方でも少年少女時代のやみがたい思いや紆余曲折ありながらも目的目指して進む誰もが知っている感触を味わえます。

宇宙開発ファンとしては、舞台となっている島の見取り図と登場人物たちの名前からして大笑い。本編にいたってはどごもかしこも“知っている”“見たことある“ことばかり。主に日本の宇宙開発の出来事、専門用語などのオンパレード。すごい勢いで盛り込まれています。

それがただネタで終わっていないのがこの作品の良いところです。素人のロケットです。それはもうお約束のように失敗します。ではどうやって次打ち上げるか。ハードルは色んな意味で上がっています。それをクリアするのに……。これ伏線だったのか!と感心させられました。
ちゃんとロケットネタでの伏線です。それも意外なやつを使っていました。確かにこの存在を忘れてはいけません、です。

ロケット打ち上げる物語は、割と一直線にそれに向かっていくものが多いです。『ほうかごのロケッティア』は一見ネタ満載で変化球過ぎるように見えますけど、一直線に走りつつ、ネタを振りまきながら、それでいてロケット打ち上げの王道を押さえている。読んだ後はなかなかの感動と妙な盛り上がりがありました。

それからもう一つ。この手の作品が好きなのは、その後の宇宙開発が描かれている点です。『ほうかごのロケッティア』と然り。たぶん、この「その後」が一番宇宙に近いんだと思います。
実際問題として宇宙にたどり着けるには、旧ISASと旧NASDA以外のノウハウが確立した時でしょう。どんなノウハウが確立したら宇宙に行けるようになるんでしょうか? 『ほうかごのロケッティア』を読みながらそんなことを考えました。

それにしても、元ネタ集作ったら作ったら面白そう。宇宙開発ファンとして試されるような気がしますけど。



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