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『増補 スペースシャトルの落日』

松浦さんの『スペースシャトルの落日』が文庫化しました。ただの文庫化だけでなく、その後のスペースシャトル計画、アメリカの宇宙開発戦略にも踏み込んだ内容になっています。

『増補 スペースシャトルの落日』
(松浦 晋也著 ISBN978-4-480-42689-5 ちくま文庫)

スペースシャトルという宇宙船が持っている問題点をずばりと指摘した良書です。それが文庫化して持ち歩きやすくなった以上に“増補”という形で追加情報が盛り込まれていてとってもお得です。
早ければ今年にも引退する「宇宙船」を見直すには良いタイミングかもしれません。

親本がスペースシャトルを冷静に見直したのが中心でした。文庫では1980年から打ち上げられているアメリカの宇宙船の話しにとどまらず、21世紀のアメリカ宇宙開発戦略、人間が宇宙へ行くための乗り物はどうあるべきかまで解説されています。
宇宙開発の本であり、技術論の本であり、巨大計画の光と影を失敗という視点から取り上げた本でもあります。

親本の時も思ったのですが、この宇宙船にやっぱり乗れないのか、ですね。打ち上げ初期は人と貨物を運ぶ宇宙船というよりも一般の人でも乗ることが出来る宇宙船というイメージが強かった。それがいつまで経っても乗れる気配がない。選抜された宇宙飛行士ですら10年近くかかっての搭乗です。一般人が乗れる余地なんかなかった……。イメージとコンセプトと現実がこんなに違っていたなんてこの本を読むまで気がつかなかったですね。

その辺りをこの文庫を読む度にさらによく分かります。宇宙開発好きよりもなにげなく手に取った人の方がこの本の面白さを楽しめると思います。
文庫化だけでもうれしかったですけど、内容がさらに充実で大変楽しめました。


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