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ただいま奮闘中

2009030101

休日や夜間にと暇とタイミングが合えば人工衛星のビーコン音を受信すべく奮闘しています。
目指す衛星は、1月23日にH-IIAロケット15号機による温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」と一緒に打ち上げられた東大中須賀研究室の「PRISM
この1ヶ月でやっと受信できるようになりました。せっかくなのでその奮闘記をちょこっと書いてみようと思います。

一応これでもアマチュア無線家です。学生の頃に人工衛星の電波受信をやってみようと思いました。でも、その当時は設備やら情報やら資金(笑)やらで諦めていました。
でも、今回はちょっと違います。そりゃー見学させてもらいましたから。
ちょうど良いタイミングです。インターネットで情報を集めてみたら目処がつきそうです。勢い余って広帯域ハンディレシーバーを購入して宇宙からの電波受信に試みました。

最初はなかなか思うように受信できませんでした。
いろいろ調べ直したり、東大中須賀研究室地上局の方にメールで質問したりしてやっと受信が出来るようになりました。

コツは、このひとつだと思いました。
「衛星からの電波の周波数は、ドップラー効果で可変するから確実にその周波数に合わせること」
これに尽きます、はい。


なんでこんな教訓を得たかと言いますと……。
まずは、ちゃんと「PRISM」のビーコンを受信した内容を動画にしてみましたので「聞いて」みてください。
(基本的にノイズまみれなので音量は小さめから聞き始めた方がよいです)
2月21日12時のパスで約3分34秒の動画です。

場所は、とある河川敷。使用した機材は以下の通り。
受信機:広帯域ハンディレシーバーIC-R20アイコム製)
アンテナ:6エレ八木アンテナ(Radix製)

受信確認にレシーバーの音声をパソコンに取り込んでいます。同時に、追跡時には衛星の軌道計算ソフトウェア「Virtual Ground Station 3」と「Orbitron」を立ち上げて方位や周波数などの参考にしています。

上空通過時間や周波数でその衛星の信号かどうかは分かります。しかし、これが「PRISM」だと分かるにはビーコンで使用しているCWの内容を調べる必要があります。
「PRISM」のCWデータフォーマットは「PR+数字(16進数)」から始まります。つまり、CW音の中に「PR(トツーツート トツート)」が何回も出てくればほぼ間違いなし。確実性を求めるなら「PRC」のフレームに、東大中須賀研究室のURLの文字列が入っています。
運が良いことにこの動画20秒目から「……U-TOKYO.AC.JP……」が聞き取れました!


受信するに当たってロケーションがどうからむか悩みました。本来なら周りに何もなく空がよく見える場所が好ましいです。
ところが住宅街に住んでいるのでそもそも開けた場所などない。日本上空時間帯は、昼と夜中の前後3時間。休日なら何とかなりますが平日だと夜しか追跡できない。
自宅は、北と西に高い建物があるので狙える空は2階の窓からの東側だけ。
ダメ元で受信してみたら……わずかな時間ですが聞こえました!
ちなみにこの時使ったアンテナ、同じRadix製の3エレ八木アンテナ。

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写真の右側のアンテナが室内で使ったアンテナ。これでも聞こえるんだから凄いですよね。

2月21日23時のパスで約41秒の動画です。
(これまたノイズがひどいので音量は小さめから聞き始めた方がよいです)


さて、ビーコン受信に約1ヶ月も費やしたのは間抜けな理由がありました。
原因はこれです。

CWを聞くために広帯域ハンディレシーバーを購入しました。どれくらい使えるのか調べたくなって、会社の昼休みにこっそくり屋上にあがって受信してみました。
周波数は、「ドップラー効果上等!」で固定のままです。
1月27日12時のパスで約24秒の動画です。
レシーバーの録音機能を使いましたので動画は「Orbitron」を使用して編集して作りました。
そのため、受信音はかなり小さめになってしまいました。こちらは音量を大きくしてみてください。

レシーバー内蔵のロッドアンテナだけです。でも、十分聞こえました。
いやー、これが初めてビーコン音を聞いた時だったのでうれしかったですね。
ちゃんとビーコン音はドップラー効果で可変しているし、聞こえにくくなったと思って衛星のいる方向にアンテナを向け直すと信号が強くなるしで一人で大盛り上がり。確かに人工衛星のビーコン音だ!

しかし、ここに“罠”がありました(笑)
「ロッドアンテナだけでこれだけ聞こえるんだから、そこそこ指向性のある八木アンテナでちゃんと追跡すれば楽勝だ」と。

それからしばらく周波数を“固定”したままで八木アンテナ振り回していましたけど、少ししか聞こえません。
ロッドアンテナで聞こえたのだから、3エレ八木くらいで大丈夫。自宅からもいけると踏んだのに……。
でも、どんなに頑張っても数秒から30秒ほどしか聞こえない。八木アンテナのエレメントを増やしても状況は変わらない(笑)
いったい何がいけないのか……?

さて、困ったと改めて調べ直してみたら、可視時間中に20kHzも可変するではないですか!
数kHzもずれたら受信するのに苦労するのに20kHzも動いたら聞こえるわけない……。
中途半端な成功経験は、成功の芽を摘むんですね~。追跡ソフトの周波数予想値を参考にしたらだんだん聞こえはじめました(笑)

設備的にははたいしたことなくても「周波数」さえ合わせていけばアンテナの方向が多少曖昧でも受信に問題ないことが分かったのは収穫でした。
ちゃんと聞こえてきたので、追跡が面白くなってきました。
出来れば可視時間中フルタイムで聞いてみたいですね。これはロケーションの問題がからむからちょっと考え中。


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その他に揃えたものは、「方位磁石」と「角度測定器」。どちらもDIYの店で購入しました。
意外に自宅でも正しい方位は分からないものです。屋外だとなおさらです。
角度計は、実際に衛星を追っかけている時にはあまり役に立たないのが分かりました。角度の目盛りが揺れてしょうがない(笑)
しかし、事前に周りの建物や鉄塔や雲など目安になるものの角度を測っておくと追跡時に役に立ちました。手持ちでアンテナを振り回す身分としては大助かりでした。


もうちょっと聞き込んでからの課題ですけど、アマチュア無線家的は昼夜や四季を通じての受信できる電波の違いや今回の軌道では難しいかもしれませんけど太平洋上空と大陸上空での信号の受信時間とか楽しめそうです。(出来るかどうかは別ですけど……)

ただこの時期に受信するにはちょっと寒いですね。屋外はもとより室内でも暖かくしていないとちょっと辛い。モコモコに完全防備で風邪などひかないようにしましょう!


今回も受信成立条件やビーコン音のブログ掲載など東大局の方に問い合わせたところ、大変親切にお答えいただきました。本当にありがとうございました。
これからが本番ですね。頑張ってください。

--追記
動画を管理していた「@niftyビデオ共有」サービスが終了するため、YouTubeへアップした動画に変更しました。

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