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JAXA相模原キャンパス一般公開「宇宙へのヒミツの入口おしえます」

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年に一度のお楽しみの日が8月9日にやって来ました。
「JAXA宇宙科学研究本部(ISAS)相模原キャンパスの一般公開」です。
詳しくはこちらをご覧ください。
JAXA相模原キャンパス一般公開「宇宙へのヒミツの入口おしえます」
相模原キャンパス一般公開2008、終了

例年なら7月下旬に行われるのですが、今年は観測ロケット打ち上げの都合もあってこの日となりました。
今年は今年でいろいろあって面白かったですよ、宇宙研の一般公開。
いつものように写真で紹介!

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第1会場<はやぶさ>。
なんと「M-Vロケット」と「はやぶさ」の同スケールペーパークラフト!
近くで見るとすごく良くできていること。「はやぶさ」の太陽電池パドルまでも完全変形!していました。

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小惑星「イトカワ」(2000分の1)
大きさのみならず密度もスケール通りにしているそうです。これで重さは約4.4キロ。
写真に写っている子と奪い合いして負けたので触れませんでした(笑)

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<かぐや>
ものすごい人だかりでクイズに挑戦できませんでした……。
皆さん色々グッズをもらっていたようです。うらやましい。

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そんな「かぐや」コーナーの片隅にあった「ペネトレータ搭載コンフィギュレーション」の解説。
中止になったLUNAR-A計画のペネトレータをロシアのLUNA-GLOBに搭載する話しが持ち上がっています。それの詳細が展示されていました。

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<宇宙の帆掛け船~ソーラーセイル~>
「ソーラ電力セイル展開機構の開発」の紹介。IKAROSプロジェクトとして2010年代の打ち上げを目指しているそうです。

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<天文系合同展示>
第1会場2階は、天文系一色でしたね。
プロジェクトに関わっている人たちの仕事内容が顔写真と一緒に展示されていました。ちなみにこれには赤外線天文衛星「あかり」版もありました。……ところで人工衛星の「飲酒運転」って出来るのでしょうか(笑)

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<電波天文学>
電波天文衛星「はるか」後継機のアンテナの模型。
ちなみに後継機こと「ASTRO-G」は「はるか」と違ったアンテナ構造を持っています。それについて質問したところ大変丁寧に教えていただきました。ありがとうございました。
簡単に書くと「はるか」のアンテナ構造だと、実は底の部分しかアンテナとして使えていないそうです。ところがASTRO-Gのアンテナ構造だとすべての面が使えるのでこのような構造になったそうです。
やっぱりあの形は気になっている人が多いらしく「振動は大丈夫?」と質問の受けたそうです。アンテナ振り回したときの振動は、衛星側でカウンターを打って制御できるようになったので問題ないと分かったのでこの形を採用したそうです。

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<小型科学衛星>
新しい小型科学衛星シリーズの紹介がされていました。人が多すぎてうまく撮影が出来ませんでしたよ。
ワーキンググループで15もの案が上がっていました。良いですね、がんがん行きましょう!

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<赤外線天文衛星あかりイメージギャラリー>
宇宙研の一般公開は、ある意味“お祭り”ですから、スタッフの皆さん気合いが違います。お揃いのTシャツ着てたりします。赤外線天文衛星「あかり」の人々はこのようなはっぴを着ていました。……よく見たら「あかり」プロジェクトマネージャの村上先生でした(笑)

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第2会場<金星探査計画>
金星に向かう探査機「PLANET-C」の模型。
ここでは子供向けに探査機にカメラを組み込んでみよう、みたいなコーナーをやっていました。

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<探査ロボット展示>
私が訪れたときは“休憩中”だったので子供たちの遊び場と化していました。
こういうところが一般公開の“良い”ところですね。

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第3会場<宇宙農業>
「6年間宇宙を旅したトマト」です。スペースシャトルを利用した長期暴露実験施設から回収されたのを神奈川県平塚農業高校・園芸科学班が栽培したものです。
ちなみにトマトの名前は「Rutgers California Supreme」だそうです。

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<電気推進ロケット>
小惑星探査機「はやぶさ」用μ10エンジンの3倍力持ちのμ20エンジンも耐久試験を開始し、まもなく2000時間を超えるところまで来ているそうです。例の“撃墜マーク”も新しいデザインになっていました。
下に青く光っているのが点火中のエンジンです。(正面からは写真撮影に失敗しました……)

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<人工オーロラ>コーナーにあった「磁気化プラズマ発生装置」
説明書きに「この装置によってプラズマに関する様々な実験が可能となります。それに加えて、高密度なプラズマを高効率で生成出来るという特徴から、宇宙推進ロケットへの応用も考えられています」とのころ。
これは先々楽しみな研究ですね。

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第3会場の廊下にて。
えっー、今年はレールガンなし……。毎年この音聞かないと気合いが入らないのに(笑)
「新しい超高速衝突実験装置を準備しています」とのこと。楽しみにしています!

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第4会場にあったアンテナ。
この場にいた係の人も分からないとか言っていました。見た目からすると火星探査機「のぞみ」のアンテナに似ているような?

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同じく第4会場にあったコンテナ。
去年までは月探査機「LUNAR-A」のコンテナがありました。今年はそれが見あたりません。代わりにこれがおいてありました。よく見ると「PLANET-C(FM)」とあります!?
まったく油断のならない会場です(笑)

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<「あかり」クライオスタット>
今年は間近で見ることが出来ました。係の方に言われて気がついたのですが、よく見ると太陽光遮光板に“しわ”が寄っています。
なんでも振動試験の際にいってしまったそうです。実機ではこの部分の作り方を変えて対応したそうです。
「デザインのバグ出し」という言葉で説明されていました。なるほど。

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第5会場<次期固体ロケット>
「特別講演」での次期固体ロケットプロジェクトマネージャの森田先生。
名称はもう「イプシロンロケット」でしたね。
いやー実にいい話が聞けました。質問コーナーは出るは出るはのおいしい話し。
覚えている限りでこんな質問と回答が出ました。(けっこううろ覚えなので間違っていたらごめんなさい)

「第1段目に使用するSRB-Aは種子島から運べないのでは?」
→その話しは迷信のような話しで、現行の法律や橋など運ぶにあたっての障害はない、とのこと。
「今計画されている小型科学衛星とスペックがミスマッチでは?」
→SSO(太陽同期軌道)でちょうどのスペックになっているのでミスマッチまではいかない。
「SRB-AよりもM-V2段目を使った方がよかったのでは?」
→M-V Liteってやつですねと言われた後で、これだと次期固体ロケットよりも打ち上げ能力が劣っているのでSRB-Aを採用することになった、そうです。
「内之浦から打ち上げるの?」
→私は内之浦で育ったので……、という話しから内之浦も種子島も極軌道に乗せるときには南にある島などを避けるために一度南東に打ち上げてから飛行コースを曲げるそうです。そのときのエネルギーは種子島よりも内之浦が少ないという理由と、地上系をコンパクトにするといってもそれは打ち上げ管制で他の施設などはやはり人数は必要。そうなるとやっぱり内之浦の設備は……という話しで、次期固体ロケットが息を吹き返したのも固体ロケットファンと内之浦の人たちの応援があったからだ、とありました。
「今までのロケットは斜め打ちだけと、イプシロンは垂直打ち?」
→斜め打ちのメリットデメリットを話された上で、垂直で作った物をあえて斜めで打ち上げるよりも、ということで垂直打ちで行くそうです。
「ライバルがいないのでは?」(これはたぶん某トークライブで出てきた話を受けての質問ですね(笑))
→ライバルはいないわけではない、そうです。まとめますと、1.計画されている各国の固体ロケット、2.M-Vロケット、3.打ち上げシステムなどまで含めて液体・固体に関わらず世界中のロケット、の3つを挙げられました。
いや、格好良すぎましたよ。

ちなみに、あまりの盛り上がりに近くのブースから「人数多いな」「年齢層が高い」とか突っ込みがありました(笑)

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同じく<次期固体ロケット>コーナーの無毒液体推進系エンジンの「推進系BBM」
地上燃焼試験に使われた物です。
こちらのページに詳しいことが書かれています。 

2008080922
第6会場<風洞実験>
施設の奥まで入ることが出来ました(といっても上から見るだけですけど)
この角度から見ることは初めてでした。

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屋外の<実物大ロケット>
今年は反対側はきれいに整備されていました……。

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なんとM-Vロケット実物モデル展示場所です。
パネルからだと2号機と読み取れます。新聞でも取り上げられていました。
ここに来ますか! M-3SII型ロケットと一緒とは良いですね。
公開開始の際には、休みの日にでも「ちょっとだけ一般公開」を企画してほしいです。

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一般公開での戦利品。
これでも結構購入できない物があったのでちょっとがっかり。
去年売っていたペンシルロケットのレプリカがなかったのが残念です。その分いろいろ買いましたけど(笑)

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あっちこっち面白くて結局「市立博物館」と「水ロケット」を見ることが出来ませんでした……。
やっぱり朝一番からいかないとだめですね。
写真は帰り道で見かけた片付け最中のスタッフです。

お疲れさまでした。今年も大変面白かったです。

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