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『キューブサット物語』

20050403

2003年6月30日。
東大と東工大が作成した10センチ角の人工衛星が打ち上げられました。
そして、その衛星は今も元気に宇宙からメッセージを送ってきています。
この2機の衛星の誕生から、作成の日々、そして打ち上げにいたるまでの記録がこの本です。

『キューブサット物語』
(川島 レイ著 ISBN4-7678-0399-3 株式会社エクスナレッジ)


日本で宇宙開発に携わっている人っていったい何人いるのでしょうか?
数の取り方にもよるんでしょうが1万人いるかいないかだと思います。私の勝手な想像ですが。
たとえば、自動車を造っているよ、という人は親戚に一人や二人いてもうなずけますが、ロケットや人工衛星を作っているとなると、相当な確率でないといないと思います。

この本の素晴らしいところは、人工衛星というものを、まったく何も知らない人でも知ることが出来る点です。「人工衛星なんてものを作ったことがない」学生たちが試行錯誤して、世間からは無理だと言われていたのにも関わらず作り上げ、見事に運用に成功した、というストーリーに、共感が大いに持てます。

私もロケットや人工衛星は大好きですが、さすがに作ったことはない(笑)
いったいどんな風に作るのか知識で知っていてもいま一歩つかめないところがある。
ましてや、宇宙開発なんて興味がない人にはさっぱりの話です。
しかし、キューブサットを製作した学生たちを通して、誰でも体験し“宇宙”を身近に感じることが出来る貴重な本だと思います。

衛星を作ることは技術的なことですがそれだけの本ではありません。
物を作る、何かを成し遂げるにあたっての努力や苦労は、面白くもあり悲しくもあり、自分の体験が頭をよぎりました(笑)
自分のことのようにハラハラドキドキしたまま読み進んでしまいます。
そして、キューブサットが打ち上げられ、初めての信号を受信するくだりで思わず本を読みながらガッツポーズをしてしまいました。


学生たちは、いきなり宇宙へ行く人工衛星を作ったのではありません。その前に缶ジュースサイズの人工衛星(カンサット)を作って、宇宙ではありませんが高度4キロメールまで飛ばして実験をしています。そのときの経験が今回のキューブサットにつながっているのが読み取れます。

このカンサットでの学生たちの物語が知りたい方は、同じく川島レイさんが書かれた『上がれ! 空き缶衛星』を読んでみて下さい。『キューブサット物語』にも負けず劣らずの物語がここにあります。
『上がれ! 空き缶衛星』
(川島 レイ著 ISBN4104684015 新潮社)


写真は、2004年のハムフェアに展示されていたキューブサットです。
こんなに小さい人工衛星が今も地球をまわっています。
ちなみに、2004年7月10日に行われた「キューブサット1周年記念講演」の見学記を自分のホームページにまとめています。
よろしければどうぞ。

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