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『なぜ起こる鉄道事故』

最近、図書館で借りた本の中でこの本が紹介されていました。
かなり面白そうな本だと言うことと頭にひっかかるところがあったので、探し回って購入してみました。

『なぜ起こる鉄道事故』
(山之内 秀一郎著 ISBN4-8083-0726-X 東京新聞出版局)

著者は、1956年に国鉄、現在のJRに入社し、1996年にJR東日本の会長に就任。200年7月に退社された方です。(ここまで読んで、あれと思った方、私もそうでした)

鉄道と他の乗り物を安全性の比較から始まって、鉄道が開通した1830年9月15日にもう鉄道事故が起きているというエピソードから現在に続くまでに、鉄道にどのような事故があってそれを克服すべく数々の安全対策を行ってきた歴史がこの1冊で読むことが出来ました。

事故が起きるには、その原因があります。またその背景も重要です。
この本を読んで驚いたのは、鉄道のはじまりにブレーキ装置がまともについてなかったり、客車は木製で「屋根」がなかったりと、今からは想像も出来ないギャップがありました。読んでいて、このギャップがなかなか面白かったのですが、それが食いつきになって鉄道事故の原因や背景がすんなりと理解できました。

ロック(連動装置。列車の進路が正しく開通しているときだけ青信号が出て、その区間に他の列車が入ってくることを防止すること)・ブロック(閉塞装置。ある区間に列車が入るとその区間の入り口の信号を停止信号にして他の列車が入れないようにすること)・ブレーキ(停止装置)の3システムを数々の事故の中から、いかに安全というものを確立していったかの歴史は興味深いものです。

また、人間のミスをどのようにカバーしていくか、カバーするために数々の装置が作られたが、その装置の故障が事故を招いたなど、安全の追求に終わりがないところなどは鉄道に限らず、すべてのシステムというものに通じると思いました。
周りに鉄道ファンが多く(笑)おりますが、私はそうでもありません。
しかし、こういうアプローチから「鉄道」を知ることもなかなか良いものだと、この本を読みながら思いました。

さて、最後に頭にひっかかった点ですが、それは著者の名前です。
鉄道に詳しくないですが、どこかで見たお名前です。
本の最後にある略歴を読んでやっぱりそうだったと確認しました。

著者の山之内さんは、JR東日本を退社後、宇宙開発事業団(現在の宇宙航空研究開発機構)の理事長になられております。また、初代の宇宙航空研究開発機構の理事長でもあられます。知ってる名前で当たり前でした(笑)

笹本祐一さんの『宇宙からのパスポート』のなかでH-IIAロケット1号機の打ち上げ後の記者会見で当時理事長であった山之内さんが「鉄道と同じように徹底的にテストしろ、といったら、『そんなことしたら壊れちゃいます』と言われてショックだった」という一文があります。
この文章を読んだときは、そんなものかと思いましたが、改めて『なぜ起こる鉄道事故』を読むとそういう発言が出るのも分かります。また、その発言の裏にあるものをこの本で一部でも知ることが出来て良かったです。

……そう来たかと思われた方に幸いあれ(笑)

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