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『狩野俊介の肖像』

ひさびさに、少年天才探偵狩野俊介の本が文庫で出ました。
(太田 忠司著  ISBN4-19-892133-4 徳間文庫)

探偵野上英太郎と活躍する狩野少年の日常を描いた短編集です。
長編では、大人に混じって中学生の狩野君が鋭い推理を繰り広げていくのですが、この短編集は、ちょっと違っています。
それは、狩野君が「どうして名探偵になってしまったか?」ということに関わっているからです。

太田忠司さんの書かれる小説、とくに狩野俊介シリーズは、人間の持っている業のようなものを見せつけられます。
読んでいる方もつらくなるのですが、話が進むにつれて、そのことに逃げも隠れもしないで対峙していく狩野君や登場人物たちに共感を覚えていきます。

人間誰しも、おもりのようなものを持ってしまうことがあると思います。
それに対して、どのように対処していくか?
おもりに引きずられたり、動けなくなったり。

それをありのまま受け止めて、おもりをはずしていったり、そのまま持ったまま行動したりすることを、前向きにこのシリーズは教えてくれているように思えます。


こういう小説はちょっと、という人は、このシリーズは漫画化されています。
この短編集の何話かが納められている「狩野俊介の事件簿3 硝子の鼠」がつい最近発売されました。
(大塚 あきら作画  ISBN4-253-18472-3 秋田書店)

こちらは、小説の世界をよく描かれている上に、「ハートウォーミング・デテクティヴストーリー」と紹介されているだけあって、シリアスとハーとウォーミングが相互に作品の質を高めています。

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